空き家元年となる2024年

相続・補助金・税金, 空き家問題関連

2024年(令和6年)は、空き家数減少に関わる改革が行われる年になりそうです。

まず1月1日からは、相続空き家譲渡3000万円控除にとって、大きな一歩となる緩和改正がおこなわれます。当然ある程度の制約がある上でのことですが、これまでは、3000万円控除の前提となる昭和56年5月31日以前に建てられた空き家を売却して、この控除を得ようとする場合、耐震改修(これは昭和56年6月1日以降、耐震基準が強化されたため)、もしくは取り壊して土地のみにしなければなりませんでしたが、来年1月1日からは、家屋を取り壊さなくても、この制度を使って売却できることになりました。

これは、売却先の業者(または個人)が取得後、この耐震化もしくは、更地化をすればこの特例が、適応されるというものです。

つまり、これは、売却する側にとってはすごい朗報です。これまでは、売る前の耐震リフォームや更地化で先に多額のお金の持ち出しがあったのですが、1月1日以降は、売却後、売却先の業者(または個人)にその金額を負担してもらえばOKという訳です。

法令では、譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの期間内と、少し分かりにくく記載していますが、

例えば、2024年3月1日にこの特例に係る空き家の所有者が、業者(もしくは個人に)譲渡(売却)した場合は、翌年2025年2月15日までに(この場合だと約1年間)、業者(もしくは個人)が取得後、耐震リフォームまたは、更地化するすれば、空き家の所有者が3000万円分の譲渡所得の控除を得れれるということです。

売却先の相手の行動後となっているので、実際は、売買契約書の特記事項として、所有権移転後〇○月〇○日までに耐震リフォームまたは、更地化する。この処理がなされない場合は、売買契約書を解約できると、記載されるはずです。なぜなら、この処理がされないと、3000万円譲渡所得に対する譲渡税600万円の控除が受けられないので、確約の必要があるからです。

ただ、売買までの持ち出しがなくなり、3000万円利益(注意:2024年1月1日以降は、3人以上の相続人の場合は、一人当たり2000万円控除)が出た場合に、一切税金を払う必要がない。というのは相当大きいです。

これに加え、2024年4月1日からは、相続登記の義務化が始まり、この法令は罰則(10万円以下の過料)がある上に、過去にも遡るので、放置空き家に対しての所有者の意識が高まることも確実です。

このように2024年は、空き家問題解決元年となりそうです。

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