地方の空き家① 土地建物の売値0円って本当?

売買・解体, 空き家問題関連

空き家問題に関わっていて、驚愕するのが、地方の空き家が0円でも売れないことです。そこは砂漠のど真ん中の何の活用もできない場所ですか?それとも山の中腹ですか?とんでもない、普通の平地で、古い家ですが、田んぼもあり、周りには肥沃な田園が広がっているのです。

つまり、現実的に日本人が長い年月を掛けて一生懸命、開拓した肥沃な大地が、劇的に全く価値を生まなくなっていっているということです。価値がないとされているから、人が出ていき、過疎化が進み、インフラや交通が崩壊し、誰もいなくなってしまうのです。世の中はコンパクトシティ化などと恰好の良い言葉を並べ、地方の再生ではなく、中央化に進んでおり、地方の再生に本気で取り組んでいる姿勢は全く見えませんし、そんな私自身も、地方はもう無くなっていくのか、、と薄っすらその全体主義に取り込まれようとしているのです。

しかし、ノスタルジーを感じるのは、かつてはこのような田舎にも和気あいあいとした生活があり、走り回る子供もいて、学校もあり、商店ももっとあったという記憶です。恐らく今の傾向と日本人のマインドでは、地方は、どんどん忘れ去られ、無価値なものとされ、インフラも消え、雑草が生えた廃墟のような場所になってしまうのでは、本当に危惧してしまいます。

もし外国にこのような肥沃な土地があれば、誰か(もしくは企業が)農業をおこない、そこで育てた野菜や果物を売り、生産する人が近辺に住み、新たな生活圏が生まれるのではないでしょうか?それが日本では無価値どころか、誰も住まない。日本の食料自給率は40%にも関わらず、この肥沃な土地で、残り60%の自給を賄うこともないのです。

地方は一度崩壊してしまうともう元には戻れないので、今対策が必要です。正直、地方の土地を再生させるには、故人のアイデアなどと言っている場合ではなく、既成概念や既得権益を乗り越え、この肥沃な土地で、まずは企業(農業法人)が、ある程度自由に、大規模な農業ができる法改正を大胆に進め、それを国や地方自治体も後押しし、国内、海外に自由に流通させ、十分な利益を上げることのできるようにし、この地方の土地に価値(十分な収益があがる)を持たせることです。価値がある場所なら、職もあるし、人は戻ってきます。交通などの生活圏も復活します。売値0円とか、そんな場所無価値と言われる度に、良い日本が縮小していく気がして寂しい気持ちになってしまう今日この頃です。

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